月惑星研究会関西支部通信 No.18

1998年 7月19日


参加者
薄出・小嶋・池村・伊賀・林・奥田・安達・上野(初参加)・前田(初参加)
    以上9名
今回は新しい参加者を二人迎えての例会となりました。新しい人がおられるというのは、新鮮な感じがしていいものだなあと思いました。(A)

お二人は、月刊天文に載った池村さんのピコナによる撮影の記事を読んで、連絡して来られた方で、前田さんは新しい会員として参加されることになりました。今後の活躍を期待致します。例会では、カメラの現物や改良アダプターの展示が行われ、会員の人目を引いていました。

さて今回の例会は、木星面で激しい変動が起こってからの事実上の最初の例会とあり、木星面に起こった変化の様子をとらえることが重要な課題として取り上げられました。

☆50年余りにわたって見え続けてきた永続白斑に大変化が起こったこと。
☆大規模なmid-SEB outbreakが起こったこと。

これら二つのことを中心にまとめを行いました。

※写真は池村氏がデジカメで撮影されたものです。

◎自己紹介と近況報告

安達

滋賀県に移りすんで18年になる。スケッチを中心に観測している。最近、ちょこちょこ月面の観測をやっている。木星の観測は、今朝も実施し、スケッチの総数は31枚になった。45歳

伊賀

関西支部ではウェイブの管理を中心に活動を行っている。自宅がマンションで、2時過には木星を観測できない状態になる。我々のインターネットのホームページはたくさんの海外からのアクセスがあり、にぎわっている。検索エンジンにかけると、わたしたちのホームページが出て来ることが原因だろう。喜ばしいことだが、中身の観測の方は日本語で書いてあるため、中まで見られる方は少ないようだ。しかし、徐々に増えて来ている。自分は木星の解析中心をたのしみでやっていて、スケッチは現在35枚とっている。年は43歳になる。

池村

昔から写真を撮っていたが、近年になってピコナで写真を撮り始めた。31cmの反射望遠鏡を使って撮影している。昨年、月惑星研究会関西のHPをみつけて入会した。現在46歳

前田(新会員)

初参加です。京都府の亀岡市からきました。スケッチはにがてで、写真は始めてから3年目になります。木星のことは勉強していないのでよく分かりません。池村さんの月刊天文の記事を読んだことから、この会を紹介してもらい、やって来ました。自宅では31センチニュートンを使ってピコナで写真を撮っています。現在52歳です。(今月から入会してくださいました。A)

奥田

90年に火星から観測を始めた。スケッチ主体に活動をしてきたが、昨年から冷却CCDを使っての撮影をするようになった。今日はカメラを一式もってきたので、意見を聞きたい。今朝観測したので、今朝の木星の画像があるから、あとで見ていただく。25センチF7.2の望遠鏡が自宅にあり、観測用に小屋を作ってそれに納めている。42歳

上野(特別参加)

大津市堅田のすぐとなりに住んでいる。(わたしは知らなかったが、上野さんは自宅だけでなく、わたし個人までもご存じで参ってしまった。A)月刊天文の池村さんの記事をよみ、池村さんから紹介を受けてきた。
 今までは写真を撮ったりしてき。イオスを使って撮っている。15センチ屈折F9の筒だけを持ち出して、屋外でやっている。国際光機で浅田さんと会って、この会を知った。49歳

小嶋

かわべ天文台の研究員をやっている。現在24歳(独身どすA)1m鏡で写真をとっている。銀塩写真の限界を目指したい。どこまでいい写真が撮れるか頑張ってみたい。今年はやれそうだ。秋には撮ったものを公開できそうだ。
 今日中に岡山にいき、美星天文台にいきます。

薄出

昔は天体写真マニアだった。年齢とともに心機一転、観測ができる体勢を作ってきた。自宅にドームを作っている。先だって内装工事が済み、六年かかったがようやく完成に近づいてきた。観測はスケッチだけでなくちがったこともしたいので、冷却CCDを買った。テスト撮影をしたが、極軸がくるっているため、うまく撮影できなかった。これからは極軸を調整しないといけない。現在45歳。


◎木星の説明図配布

伊賀資料配布言葉の説明・・・・・・基礎講座

伊賀説明:かわべ天文台で撮影された木星のスライドを見ながら、木星各部の名称の説明を聞く。(毎回、少しずつ取り入れていきたいと思います。初心者の方に分かるように説明することが目的です。)


◎永続白斑に起こった事件について(BE)

安達から永続白斑の基本的な見え方や性質について、簡単に説明しました。続いて今年の合を挟んで起こった大事件の概要を解説し、伊賀さんのほうから集まった情報を元に詳しいことを解説していただきました。概要は次のとおりになります。

☆ 事件のあらまし
STBにここ50年あまりにわたって見え続けてきた永続白斑のBC・DE・FAのうちBCとDEが今年の合の間に今までのように見えなくなって1つになってしまった。

残された一つの白斑はBCかDEのひとつなのか、それとも合体(マージ)したものかどちらなのか。

☆ 観測報告
合の前後にフランスのPic-du-Midi天文台で観測された画像があることから、BCとDEがマージしたのではないかという見解がしめされた。さらに合の前後の間にNASA/IRTFによる赤外による画像が撮影され、マージしている最中と思われるところが公開された。そのため、今まであったBCとDEの白斑の前後の記号を用いあらたに「BE」として呼んでいる。どこかで取り決めた訳ではないが、世界中で使用され、認識されるようになった。

ドリフトチャートを作って調べると、前シーズンの終わりごろにBC・DEが接近していることが確認されていた。BCにくらべてDEが早く接近し、BCに追いつく形で重なったと見られる。一つになった白斑は現在、今までBCのあった線には乗らず、18度前方を今までのBCと同じような早さで前方に移動している様子が観測されている。

結論的に現在のSTBの様子は次のようになっている。


     200°        235°      275°              310°
      かなり       青っぽい   BE        FA
     黒い暗斑      白斑            riftがFA方法に伸びる

浅田・池村さんの画像に特徴がよく捕らえられていて、月惑星研究会関西支部のホームページでその様子を見ることができる。今後、これらの白斑やriftがどのような変化を見せるかが観測の焦点となりそうです。


◎Mid-SEB outbreak

現象の概要を、安達が簡単に説明し、1970年代後半から1980年代にかけて7回起こった現象であることや、一般的なSEBの淡化現象の解説を行った。続いて、1979年の画像を元に、現象例を伊賀さんが説明をした。この現象は大赤斑の後方150度くらいまでで起こっていることが多いこと。大赤斑の右下のSEBでは起こっていない。

1985年、日本の観測報告でも大赤斑の後方100度くらいに発生。北側が前方に伸びる様子が観測されている。半年くらいで繰り返されているのが過去の例。

今年の初期の観測は合のためありません。発生場所はいずれも2系で200〜300度くらいだが、これも合の間に起こったらしい。4/29伊賀さんが初めて捕らえる(白斑3個)。ピックの画像が出た。BEの紹介画像とともに公開された(5/7)。起点の移動は変化が少ないが、わずかに前方に移動している。先端は急速に前方に移動している。SEBのnにも白斑群がある。これの先端に暗部があり、それがSEBnを先行しているらしい。伊賀さんがそれを追及している。

この現象は、過去半年位で繰り返されていることが多く、今回もそろそろ発生後半年を経過したため次の発生が予想される。各人注意が必要になります。


◎画像の閲覧

各自が持ち込んだ画像やプリントを見ながら、STBやSEBの様子を確認しあいました。ピコナの威力というか、CCDの威力というか、話題の中心はそちらのほうにいきました。伊賀と安達のが眼視派は部屋のすみっこで、指をくわえながら静観しておりました。だんだん居場所がなくなって来たようで、つらいものがありますなあ。と言うのが二人の共通認識でありました。ああ。

◎アダプターの情報交換

失礼ながら安達は見にいかなかったのでよく分からないのですが、薄出さんと奥田さんが、アダプターをもって来ておられ、意見交換をされていました。また、初参加の上野さん・前田さんも熱心にご覧になっていました。

薄出さんの製作されたアダプターは、高橋製作所・ミザール・ビクセンのアダプターの合作で、フィルターを挿入できるように製作された優れものでした。


◎1mで撮影した木星(スライド)

かわべ天文台で撮影された7月7日と8日との二日間の木星のスライドを見ました。今年は気流がよいとのことで、よい写真が撮れていました。

◎事務局から

・月面課の活動
二ケ月くらい前から、月面課にもメーリングリストができました。ゆっくりですが活動を再開しました。名古屋を中心に活動を始めます。
・望遠鏡の架台2つ
安達がビクセンの据え付けの架台を手に入れました。15cm用の架台で、スカイセンサーがついています。ただし、バランスウェイト(重りだけ)がありません。鏡筒をかっていただかないといけませんが、これから観測をしようとする方に差し上げようと思います。重りと筒は買っていただかねばなりませんので、これから始めようという方においておきます。皆さんの中で支部に入っていただけ る方で必要と思われる方がありましたらお知らせください。

もうひとつ、スカイルックの15cmの架台に20cmF5の筒が載った完動品、赤経のみモーターつきを池村さんが所有されています。10万円(送料別)で手放してもよいそうです。基本的に支部の方でということにします。鏡はやや過修正だそうです。

・名簿の発送
前田さんが入られましたが、新しい名簿を後日郵送します。
・THE GIANT PLANET JUPITER
電子メールを通して申し込みをしていただいた本の値段が分かりました。一冊(90 ドル×146円=13140円と消費税?になるそうです。ご用意ください。もうすぐに着だそうです。 
☆☆☆☆☆☆  THE A.B.S(Astro Bakuro Service) ☆☆☆☆☆
事務局のマックをバージョンアップしました。そうしたら印刷できんようになりました。いろいろとやってみたのですがさっぱり分からず放置していましたが、薄出さんがやって来てくださり、直してくださりました。ところがついでだということで、さらにひとつうえのバージョンにされました。ただでさえ分からないのに、これからが地獄です。息子は喜んでいますが、これから夏休みに格闘します。電源を切ると時間に応じてなにかメッセージを言うそうです。息子が夜中に電源を入れたら「真夜中です安達さん。」と、マックがしゃべったそうです。

薄出さん!へんなこと言うように設定してないでしょうねえ。直せないんだから!


次回の例会

次回は木星会議の後に開くことになりました。参加する人だけは事前に一度集まります。例会はその後ですが、東亜天文学会の総会がこのころになりますから、それが決まってから日程を決めて通信や郵便で連絡します。

発行:月惑星研究会関西支部

〒520-02 大津市本堅田4-8-11
TEL(0775)73-7605
NIFTY VZD07247

月惑星研究会関西支部のHomePageへ戻る  関西支部のPageへ戻る