月惑星研究会関西支部通信 No.16

1998年 1月25日


1998年最初の例会を下記のように行いました。木星の観測シーズン終了直前でしたが、まだ観測を継続している会員もありました。新しい会員も参加し、内容の多い例会となりました。また、今回から例会のときに勉強をしようということで、まえもって会員に論文を送り、それについての学習も行いました。

◎自己紹介と近況報告

安達
関西支部を運営している。現在は自宅での観測ができるようになっていて、昔のような路上の観測とは異なり、随分楽にできるようになった。しかし、隣の空き地にできつつあるマンションのため、夕方の観測はこれからはできなくなった。しかしながら、仕事場に持ち込んだC8のシュミカセでまだ観測をつづけている。多分1月の末までは観測できると考えており、スケッチも 105枚位を目標においている。

来シーズンまでには望遠鏡に8ミリビデオカメラを取り付けし、モニターを見ながら小さな白斑の追跡観測をする計画である。基本線は眼視観測だ。

伊賀
朝方中心の観測を行っているため、現在は木星の観測は全くできていない。人のデータをもらって解析することが中心になっている。今後も集めたデータを整理しながら精力的に公開していきたい。

4年前から公開しているが情報量も4→6→10→20(97年)メガバイトくらいのデータを公開できたが、現在は非常に大きな情報量となっている。最近になって、NASAから公開されたガリレオ探査機の模型作りをした(例会のときに持参されました。:A)(http://www.jpl.nasa.gov/galileo/model.html)。 また、NASAやIJWの情報など毎日ウェブを覗いて点検している。C−11でのベランダ観測で50〜60枚を目標(今年は62枚)にしている。

奥田
現在は1997年から購入した冷却CCD観測を中心に行っている。1月10日が事実上、最終の観測となった。昨日(1/24)は昼間にCCDを使って木星の観測をしようと試みたが、見えずに失敗した。
(今回は。天界に連載されていた佐伯先生の「火星の模様とその名」の記事をコピーして、1冊のファイルにして持参された。:A)
薄出
6年前から自作のドームを作っており、ようやくそのほとんどが完成した。25cmF7ミカゲの210B型の架台を自分で加工して作った。ギヤはミカゲでやってもらったとのこと。これからは自宅で落ち着いて観測したい。

眼視観測を昨年から始めた。これからも勉強したいとのこと。また、これからは冷却CCDやデジカメでの撮像をやっていきたい。

(先日つぶれたミカゲの情報を話していただきました。)
忍穂井
スケッチは最近は取れていない。結局71枚で終了した。現在はシーイング悪くスケッチはできない。池村さんの指導を受けながらピコナのデジタルカメラで撮影を始めている。まだ、きれいな画像はできていない。これからはよい画像をとりたいと思っている。C8EXを昨年末に入手した。来シーズンはこれで頑張りたい。
池村
望遠鏡は半自作で、16cmのアスコスカイルックの架台を作り替えたものとか。鏡筒は焼却炉の煙突を加工して作った。初期のころは惑星のスケッチもしていた。一時彗星の観測をしていたが、後から火星にかわった(新彗星発見の経歴をお持ちでした)。ところが、観測のため体を壊した(惑星に寿命をちじめられた)。木星は見えたものが撮れるようになり、最近では写真を撮るようになった。デジタルカメラはフィルムよりもよく写るので、画像をいかに観測に結び付けるかを目標に置いて頑張りたい。自分自身の観測目標はこれから考えたい。火星は画像を作り、ウインドーズでウェーブにのせていきたい。

大気差の色補正のため、メガネの斜視の検査用のガラスをいれれば使える事を発見され、それの紹介(平面プリズム)をされた。

また、毎年、天文観測年表に出ている火星のシミュレーションの事についての話があった。作るときの苦労話をしていただいた。観測はあまりで来ていない。内合前後の金星の画像の紹介。

(池村さんは名古屋からの初参加となりました。会員に入会されてすぐの出席となり、みんな新鮮な気分で自己紹介しました。)
去年からスケッチ再開した。9〜10月は大変だったが、ようやく落ち着いたスケッチがとれるようになってきた。今年は70枚の観測ができた。来年に向けて練習しようと思っている。仕事も忙しくなって来ている。

今シーズンの木星のまとめ

昨年と同様に月惑星研究会関西支部のホームページに、今シーズンの木星のまとめを公開することにしているが、2月当たりから作業に入る予定である。

1997年9月20日のHSTの木星の画像を元に議論を行う。オーロラが写っていた。

◎特筆事項
  • NEBnにできたバルジは伊賀さんに追跡していただき、公開することにする。
  • STrZ OVALと大赤斑との衝突。
  • STB〜SSTB 床屋の看板のような螺旋状の構造についてまとめる。
  • SEBZ OVALの変動。(大赤斑の直後と途中に位置していたもの)中央ベルトについて。
  • NTZ streak(BARGE)について。
  • EZnのPLUMについて
  • NT−Cの高速移動暗斑(ダークスポット)について。

以上の内容を2月に入ったら安達がまとめ、集まったスケッチの中から適当なスケッチや写真を選び、ホームページに公開する。スケッチの編集やCMTのまとめは伊賀さんに担当していただくものとする。


学習会

1993年のSEB撹乱の論文

F.Moreno, A.Molina, and J.L.Ortiz
"The 1993 south equatorial belt revival and other features in Jovian atmosphere: an observational perspective"
Astron. Astrophys. 327 1253-1261(1997)

伊賀さんが座長で進行する。

例会までにすべてのメンバーに論文を送り、まえもって読んでおいてほしいと連絡したものの、出席メンバーはいずれも訳が大変で、十分に見れていないという結果だった。辛うじて安達が全文を訳していたに過ぎなかったが、一応その論文を元に学習会をもつことができた。中にはパソコンの翻訳ソフトを購入した人もいて。もう一度次回の例会で学習を続けることになった。

  • 1993年のSEB撹乱の状況説明を受ける。
  • 論文の中の木星の写真は南北左右が我々には反対向きになっている。
  • この撹乱を見ていたのは安達と奥田の2名だけだった。安達がそのときの4月における日本の観測者のスケッチを集めて展開図作成していて、例会の当日に展示された。
  • 国内では繭山さんが最初に発見した。
  • 今までに暗柱はGRSの直前にできたことは過去にはなかった。
  • リースの理論の紹介(撹乱発生場所が3カ所あることの説明)
  • 発生源のBに相当し、中央活動が活発な撹乱によく一致することの説明
    参考・・・発生源A:北組織が激しく変化する撹乱
         発生源B:中央組織の活動が活発
         発生源C:あまり活発でない撹乱の発生源
  • メタンバンドの数値と波長で分かることの説明。

以上のような学習を行ったが、詳しくは次回に送ることにする。また、このとき翻訳したものを渡すことにする。


その他の連絡事項

  • BAAからのレポートの紹介(byロジャース先生)
  • >
    伊賀NT−Cの観測がドリフトチャートにまとめられた。

  • ALPOのJ_netに伊賀が加入し、本家にPRした。
  • アメリカの方からホームページをのぞきにくることが見られるようになった。これからは、英訳したものをなるべくのせて行かねばならない。

  • ピク・ド・ミニ天文台のベストショットの公開(9/18の画像)があった。
  • 非常によくとれていて、参加者一同感心する。

  • ガリレオがとった立体画像の紹介
  • SEB付近の様子や高度が高い雲の様子がよく分かる。(3次元の景観図)

  • ピク・ド・ミニでとった土星の白斑の自転の動画(Iバンドの画像)
  • 最近は白斑などないようだ。

  • 観測日ごとにだれが観測していたかが分かる一覧表を作った。ウェーブで公開している。
  • 年度のホームページをまとめて印刷し、製本して配布する計画の発表があった。伊賀さんから提案があった。プリントアウトするのが大変だ。
  • ディスクのハイブリッド版にして保存する方法もあるが、伊賀さんのところではマック版が作れないという。(こまったもんだ:安達)今後の検討課題となる。

  • 名簿の更新をした。近日中に皆さんの手元に送ります。
  • 中学2年の教科書の金星や火星の写真の間違いについて、池村さんが指摘。
  • 会社からの返答などの紹介がおこなわれた。中学の教科書では南北や東西という表現は使わず、上下や左右を使っている。火星については次回の教科書では直すという返答になった。しかし、表現方法は不適切になっており、生徒の頭をいたずらに混乱させるだけとのことだった。


次回の例会

4月26日(日)安達宅にて開催します。
午後1時から5時まで

発行:月惑星研究会関西支部

〒520-02 大津市本堅田4-8-11
TEL(0775)73-7605
NIFTY VZD07247

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