月惑星研究会例会通信 No.158

■ 日 時 : 2015年4月19日(日曜)13時−17時

■ 場 所 : 船橋市視聴覚センター5階 視聴覚ホール

■ 出席者 : 16名(敬称略) 

鈴木達彦、縄田景太、守谷宏紀、三谷祥二、堀川邦昭、石橋 力、平林 勇、
小澤徳次郎、田部一志、三品和郎、鈴木重則、石川一樹、高橋 徹、高橋和平、
橋野英嗣、米山誠一
集合写真


■ 内 容

1.自己紹介

  鈴木(達):明治大学OB、ほとんど活動なし、50肩のあと腰を痛めた。
       皆既月食は温泉の中から眺めた。
  縄田  :明治2年惑星版班長
  守谷  :明治2年 名寄の観測に参加 
  三谷  :明治OB、皆既月食は友人がいる仙台に行き、途中から晴れたので眺めらた
  堀川  :4月で退職、明日から木星三昧の生活、しばらくしたら再就職の予定。
       天気が悪く、木星のスケッチは98枚、目標の100枚にあと2枚
  石橋  :皆既月食は曇られた。天気が悪く木星の観測も滞っています。
  平林  :体調が良くなく丸1年ぶりの参加。最近も急性胃炎で緊急搬送。
       木星やガリレオ衛星の相互食の観測は行っているがシーイングが悪い。
  小澤  :昨年の夏に入手したオライオン35cmを入手、3月末にやっと満足な
       画像がえられた。分光器を入手
  田部  :あまり活動していない。皆既月食は会場の駐車場で観望会(参加者50名)を
       行ったが曇られた。5月30日の17時に渡部先生の講演会(彗星)がある。
  三品  :3月になってシーイングが良くなったので撮影できた。
       4月に入ったら天気が悪く、やっと昨夜木星を撮影できた。
       今年定年退職・再雇用、退職金がはいるので、機材の更新を検討中。
  米山  :天気が悪く木星は2月、3月で10夜程度、4月は写せていない。自宅のある三浦半島は
       曇り安く、風も強く撮影チャンスが少ない。天文ガイドの取材を受けた。
  鈴木(重):工学院大学OB 無職になって5年、ALPO-Jの木星画像アップ、木星会議で発表予定。
  石川  :東京理科大2年 宇宙論・分光観測の班長 惑星班長が辞めたので惑星班長も受け持った。
       新入生コンパ80名、小望遠鏡で木星を観望、
  高橋(徹):息子さんが第1志望の中学に入学。
  高橋(和):中1、街頭募金のお手伝いで少し遅れた。
  橋野  :自宅ドームの30cmで晴れていればシーイングが悪くても撮影している。
       このところは、多忙なのと天気が悪く撮影していない。

2.木星の近況(堀川)

  1)前回の例会で大赤斑の後ろに循環気流が発生し、そこから前方に黒い筋が流れていたと報告したが、
   2月になると大赤斑後方の活動が終了し、大赤斑周辺の流れがスムーズにになった。
   大赤斑の淡化は起きず変化が見られない。過去、循環気流が発生すると大赤斑は淡化していたので、
   今回は異例。大赤斑は赤いままで健在な状況が続きそうである。
GRS周辺の変化−その1
GRS周辺の変化−その2
GRS


  2)大赤斑の後退速度が落ちた。今回の循環気流の影響と思われる。    最近の大赤斑は輪郭がボヤケて来た。そのため大赤斑が少し大きくなった。
GRSの経度変化
  3)最近、大赤斑後方にリング暗斑が発生した。そのリング暗斑は2月中旬に大赤斑前方のSEB内に    発生したもので、大赤斑の北側を通過して後方に回った。    2008年に発生した小赤斑を思い出す模様であったが動きはちがっている。3月末には崩れ消えた。    BAが大赤斑の南を通過が影響している可能性も考えられる。    また最近、大赤斑後方のSEB内に白斑が増大し活動的になっている。
リング暗斑の動き
  4)SEBsの後退ジェットストリームは活動的。SEB内は平坦で穏やかな雰囲気。    謎の明部は長く伸びて明るくなっている。   5)BAは130度付近にある。今年に入って前進速度が減速した。昨年の3月にSTBの濃い部分がBAに    達したのでBAの前進が加速され、そも影響は弱まったので減速したと思われる。
BA
  6)SSTBは濃くなっているSSTB内の白斑は1個(A7B)増えて10個になっている。   7)NEBに大きなリフトがあり、その部分のNEBは太くなっている。その部分の前にWSZがある。    NEBの拡幅が始まっている可能性がある。NTBはほぼ消えた。NTZが暗くなっている。
WSZ
   主な模様の名称を記載した木星の全面展開図(永長氏が撮影した3月末の画像)
木星の全面展開図
  8)Rogersの木星予報    ・NTB - 2017年前半にNTBsのジェットストリームのアウトブレークが起こり、     NTBが濃化復活する。NTBの活動は5年サイクルで、前回は2012年だった。     最近はNTBが淡化消失して次のアウトブレークの準備が整った。    ・NEB - 1988年以来、3〜5年のサイクルで活動していて、前回の拡幅は2012年だった。     3月31日にII=120°付近に出現した2つの大きな暗部によって、     新たな拡幅が始まったと思われる。    ・SEB - 近年のSEBは長期間の活動の後、淡化と復活が3〜4年の間隔で2回起こるパターンが     続いている。最近では2007年と2010年に起こってしまった。したがって、しばらくは     現在の活動レベルが続くだろう。SEBの淡化やSEB攪乱は起こりそうもない。    ・STB - BAの160°後方にあるSTB Ghostが、2016年10月〜2018年10月の間にBAに衝突し、     激しい活動が見られる。

3.小中口径の望遠鏡とデジタル一眼レフカメラで 木星を撮影してみよう(米山)

   月刊天文ガイド2015年5月号の記事「見てみよう、撮ってみよう木星&ガリレオ衛星の相互食」に
   協力した時に撮影した画像を利用し、Registaxの画像処理とステラナビゲータVer.7の画像処理
   及び光度測定の解説。
   以下に解説資料(PPT)をリンクします。ブラウザーでPPTを直接開けるようにしていないので
   リンクをマウスの右ボタンでクリックし、「名前を付けてリンク先を保存」でダウンロードし、
   保存されたファイルを開いてください。   説明資料

4.火星の名所紹介の第5回目−ミッチェル山(三品)

   南極冠が縮退してゆくと、半島状に取り残される部分があります。Ls240°ごろから、
   位置は73S,290W付近で見られます。2003年には島状に分離したミッチェル山が撮影されました。

      2003年9月11日に池村氏が撮影した画像では、南極冠の左隅に島状の白い輝点が写っています。
   これがミッチェル山と呼ばれる極冠の溶け残りです。
池村氏の画像
   Ed Graftonさんから、同じ日、正面にとらえた画像が報告されました。
Ed
   これは、1845年の大接近シーズンの8月にアメリカの天文学者、オームズビー・マックナイト・    ミッチェル-Ormsby McKnight Mitchel- が発見したことに因んで、ミッチェル山と呼ばれます。    英語では”Mountains of Mitchel”或いは“Mitchel Mountains”と表記されます。    Mountainsと複数形ですので、”山脈/山地”という意味があります。    例えば、”Rocky Mountains”はロッキー山脈のことです。この半島状に取り残される部分を彼は、    山頂の残雪と予想しました。そして、1960年代まではそのように考えられていました。    1970年代になりマリナーやバイキングが撮影した画像には、その場所に“山”は無く、    クレータの多い凸凹した地形が写っていました(*6)。    その後、MGSのOrbiter Laser Altimeter(MOLA)の観測で、その付近が南斜面になっていることが    わかりました(*7)。    ミッチェル山の成因については、南極の風の影響(*1)という説や、或いは、南向きの斜面による    影響(*7)との説があります。      より詳しい情報は、三品さんが作成された資料を参照してください。

5.土星の北極に見える六角形の模様の件(田部)

   前々回の例会で田部氏が発表した説と内容がほぼ同じ以下の論文を紹介されました。

   論文紹介 Dynamics of Saturn’s Polar Regions
        A. Antunano , T. del Rio-Gaztelurrutia , A. Sanchez-Lavega , R. Hueso 

   要旨:
   土星の両極についてCassiniのデータ(2006年10月、2008年6-8月、2013年6-12月)を解析した。
   画像の相関を取る方法で89.5S、89.9Nまでの風速が得られた。両極には±88.5°に150m/sの渦がある。
   75.8Nの東向きjetのところには六角形の構造が見られる。2008年4月から2009年1月までの南半球には
   -66.1Sに東向きのjetがあるが六角形の構造は見られない。東西流れの安定性と70°付近の不安定の
   可能性について調べた。渦と風の解析は渦から東西流への運動量の移送を示唆している。

土星の両極の画像
A 北極 B 南極 (六角の構造は北極にしか見られない。)
風速のピークの緯度のズレ
   Above Figure.    A : Deviation of the latitudes of velocity module peaks for different longitudes.     The line represents a sinusoidal fit.    B : The wave represented by equation (2) plotted in polar coordinates with the background     of the polar projection of the north region from 25 December 2013.     The dots in panel A at longitude 280o that depart from the sinusoidal fit correspond to     the low illuminated area on the leftmost hexagon vertex and represent the effect of     noise in that longitude.    上図 風速のピークの緯度のズレ。    赤い線はサインカーブへのフィッティング。右の赤い線はフィッティングした線を2013年12月25日の    画像に被せたもの。280度付近のサインカーブから外れた点は左端の明るいエリアで、    ここには六角を乱すノイズの影響が見られる。

6.今年の木星会議(田部)

    今年の木星会議は、明治大学の御茶ノ水キャンパスで開催されることで決まりそうとのこと。
    海外からフィリピンのゴーさんか英国のダミアンピーチを招待することを検討中。
    開催時期は9月の5日,6日が第1候補、12日,13日が第2候補。
  

7.木星会議報告資料に関して(鈴木重則)

    木星会議で大赤斑の緯度変化の報告資料作成に関して協力者を募集したいと要望がありました。


8.土星の極に見られる六角形周辺部の色の変化(堀川)

    先シーズンは赤かった六角形の外側は緑色に変化している。
土星の色変化

9.その他

    次回例会は7月の予定。会場は未定。

2次会:東船橋駅南口の日本海(9名)

二次会の様子


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